花便りNo.27 早春に咲く花(オウレン属)

 六甲高山植物園が2月23日に冬季特別開園で開いたため早速行ってきました。当日神戸の街は曇の天候でしたが、六甲高山植物園は3㎝ほどの積雪があり時々雪が舞う寒い一日になりました。 期待した早春に咲く花も雪をかぶっていましたが、その下で力強く咲いているのを確かめることができ改めて花の生命力を感じました。その時に見た花を含めて「花だより(№27)」を作成したので「雪をかぶったハイマツ」とともにお届けします。


キンポウゲ科オウレン属の花は春の未だ浅い時期に咲き始める。ヒュウガオウレンは地中より1本の花茎を伸ばしその先に一つの花をつける。右の写真のように節分の頃はまだ蕾の状態だったが1週間後には花弁が開き、上記のオウレン属の中で早く開花した。大きさはその後に開花するバイカオウレンより一回り小さい。
ヒュウガオウレンやバイカオウレンの花弁に見える部分は萼である。2月23日の六甲高山植物園は3㎝ほどの積雪があったが、

バイカオウレンはその下でも力強く咲き続け、10日後の3月3日も写真にあるように群生して咲いていた。萼であれば長期に亘って咲き続けることができ、また葉も鳥足状複葉の常緑であるため、種子を作ったり地下茎を発達させたりすることることに有益である

キクバオウレンの葉〈2023.8.9)

ヒュウガオウレンはバイカオウレンの近縁種であるため花が酷似している。セリバオウレンもキクバオウレンの変種であり花は酷似しているが、葉に違いがある。よく観察するとセリバオウレンは2回3出複葉に対してキクバオウレンは1回3出複葉のため、葉で見分けることができる。ここには掲載できなかったがコセリバオウレンは3回3出複葉である。また双方の花には両性花、雄花、雌花があるが、雄しべや雌しべの退化の状況が分かりにくく性を判別することはかなり困難である。

花便りNo.27 早春に咲く花(オウレン属)” に対して1件のコメントがあります。

  1. マツダユキエ より:

    齋藤さん
    バイカオウレン・・・とは懐かしい響きです。仲間が沢山いるのですね。「・・・萼であれば長期に亘って咲き続けることができ・・・」積雪の中でも力強く咲くことが出来るとは驚きです。
    前回の同期会にお会いできず残念でした。この時に池田の城で「薪能」というのを毎年公演されているのを初めて知りました。今回申し込みました。屋台で飲食もできフランクな雰囲気のようです。
    ではまた。            松田祐希江

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