昆虫定期便 No.63

 やっと昆虫季節の到来。といってもまだ本格的な活動はしておらず、観察記録は昨年の写真から。 今年の昆虫科は5名で、まさに絶滅危惧科。フィールド調査は月1回に減らし、余野川周辺域(池田~箕面市止々呂美)でチョウ・トンボを調査する予定。 例年のような報告書に力を入れず、「虫を楽しむ」ことをメインに活動します。 写真は、家近くの植木畑にいた「ムラサキシジミ」(3/15)。越冬個体ですね。 サクラの開花予想日が出始めた3月中旬頃から越冬していた蝶がよく飛んでいました。


 やっと、待ちに待った昆虫が活発に動き出す季節になりました。自然の中で見たい虫を見つるには
「運も大事」。今年もたくさんの虫が観察できることを願っています。その「運」から。
 ☆大型種で「幸運の蛾」と言われるのがオオミズアオ(昨年9/15 むろいけ園地)

 オオミズアオは最も美しい蛾と言われます。漢字で「大水青」と書き「大きくて水のような青白い蛾」という意味(漢字そのままですが)で、幸運を運んで来る蛾と言われます。学名はアクチアス・アリエナ(Actias aliena)、かってはラテン語でアクチアス・アルテミス。アルテミスはギリシャ神話の月の女神。夜行性でエメラルドグリーンの羽根に、月夜に白く輝く幻想的な姿から「月の女神:アルテミアスの使者」と言われています。 翅を拡げると80~120mm。姿は、まさに芸術品。初夏と夏の2回発生。幼虫はモミジ、ウメ、サクラ等の葉を好み、運が良ければ公園や都心のビル街の街路樹でも見られます。ただ寿命が短い。成虫になると口がなくなり食事ができませんから、わずか1週間程の短い生涯。だからこそ目の前に現れること自体が「幸運」だと言われます。 いろんな雑誌を見ると、結構スピリッチュアル(霊的)な言葉で、この蛾が表現されています。①変身の象徴 ②目立たずとも輝く ③自然とのつながり等が書かれています。ただ幼虫の姿から大変身するならチョウやセミも大変身するし、夜行性の昆虫でも綺麗な模様のものもおり、それらも人知れず目立つことなく生涯を全うする。又どんな昆虫でも存在すること自体、自然との関わりの中で生きていると言えるので、そのような書き方には、「そうかな?」と思うぐらいですかね。まあ、きれいな蛾ですし大きさにインパクトもあり、捉え方は「人は人・自分は自分」ですね。昨年、この蛾を見ましたが幸運といわれるものは全くありませんでした。今年も運良く見つけ、今年こそ何か良いことが起こることを切に願います。
 ☆昨年、出会った大型の蛾。(手のひらサイズで、とにかく「デカい!」の一言。)

昆虫定期便 No.63” に対して1件のコメントがあります。

  1. マツダユキエ より:

    垣田さん
    オオミズアオ 幸運の蛾 出会うこと自体が幸運のようです。
    昆虫に出会うのは運かもしれませんが、幸運の女神がやって来た時に
    さっと手が出るか、知らずに通り過ぎてしまうか。経験と努力の積み重ねも
    あると思います。
    野鳥科のベテランと一緒に探鳥にいくと、さっと見つけられるすご技に
    感嘆します。           松田祐希江

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