昆虫定期便 No.76
カワラバッタは、名前に「カワラ」とつくように河原を生息地とする日本固有種。
体色が砂礫の色と見分けがつきにくく保護色となっています。
添付写真は観察した川原とカワラバッタが映り込んでいる写真。どこにいるか分かりますか?



☆講座支援「バッタのオリンピック」
皆さん、記憶に残っていますよね。枚方の淀川河川敷での「バッタのオリンピック」。
今年は火曜コースがなくなったため木曜と土曜コースのみですが、採集したバッタの同定とオス・メスの判定に昆虫科の一員として支援をしてきました。河川敷には草の丈の高い所、低い所があり種類も豊富。トノサマバッタは飛翔時間、その他のバッタは飛翔距離を測定。

当日はトノサマバッタが20秒以上も飛翔し着地点を見失ったり、20m以上飛んだマダラバッタ、体長5cm以上あるツチイナゴが10cmしか飛ばなかったりと、驚きと笑いがいっぱい。講座生も「今までで一番おもしろい講座だった」と感想を話してくれていました。
☆京都府南部で、青いバッタ「カワラバッタ」探し
京都府の資料では、このバッタは2002年に絶滅寸前種に指定。現在では28都府県で絶滅危惧種に指定されています。ここ数年、昆虫科で話題に上がるも情報がなく、毎年計画から外していました。ただメンバーの一人が「昨年、久しぶりにメスを見た」と話され、「メスなら産卵し、今年も見られるのでは?」と、淡い期待をもって探しに行きました。
カワラバッタは体長35~40mm程、体色は青味がかった灰色。ただ川の砂礫地をすみかとしているため砂礫の色と見分けがつかず、見つけ出すのは無理。近づき、偶然飛んだのを探すことに。飛翔時に青い翅(半円帯の内側)が見られ、他種とはすぐ区別が出来ます。(下の写真:飛翔すると、この青い翅がすごく目立ちます) 何度も追いかけてはビデオ撮影するも瞬時に飛び去りカメラで捉えきれずでしたが、撮影したビデオの1本に(ゼロコンマ数秒だけですが)運良く飛翔した姿が撮れていました。ということで結果は「見つかりました!」
観察後、来年は飛翔がしっかり撮影できることを願い野に放つと、「もう追っかけるな!」とばかりに10秒以上も風に乗り、ず~っと遠くへ飛んで行ってしまいました。飛翔する最高の姿を見せてくれましたが、こんな時に限ってビデオを回してないんですよね。残念無念!

各地で絶滅に近い状態になっている理由に、河川敷の改修工事等が主原因だと言われています。最近、豪雨による川の氾濫が多々報道されますが、その度にバッタの生息環境を守るのか・治水対策で人間の安全を守るのかの難しい課題に直面しますね。


