昆虫定期便 No.60

 何とか60号のキリの良い所で今年を終えようと作成しました。年齢のせいもあって、1年があっという間に過ぎますね。私も70の大台。今年は猛暑で、野外に行こうという気持ちが少々薄れていました。昆虫科はメンバーが少ない上に、高年齢化が課題になっており、毎回の活動でも半数(4人)が集まれば上出来という状態。新しいメンバーにたくさん入って欲しいとの思いもありますが、講座生自体の高齢化もあり、昆虫科もどうなることやら。 まだ新年まで1週間もあり、早めの挨拶ですが。来年も皆さまに良いことがたくさんありますことを心からお祈りいたします。よいお年(X’masも)をお迎えください。 ※来年は辰年ですが、昆虫では「タツ」や「リュウ(龍)」が付く昆虫は見当たりませんね。


☆今年最後は「ベニトンボ」。遠くへ行かなくても、近隣で見られることは嬉しいですが・・・

 ベニを漢字で書けば「紅」で赤色を指しますが、体色はピンク色。ピンクの中でも「ショッキングピンク」という色だとか。私には聞き慣れない色の名前ですが、「強い印象を与える鮮明なピンク色」のことだそうです。だいたいピンク色に明暗はあっても、そんなにもたくさんの色分けがあるのすら知りませんでした。舞洲ではピンク色で「これだ!」とすぐ分かりました。実はこのベニトンボはアジアの熱帯・亜熱帯に広く分布するトンボで、日本ではかって沖縄や鹿児島県で知られていた種類ですが、次第に分布域が北上。九州、四国、本州でも記録されるようになってきています。近畿では和歌山県で見られるようですし、兵庫県でも2016年に淡路島で観察記録があり、これからは定着し普通に見られるようになっていくのだと思います。

(採集時の写真:舞洲で)           (自宅の窓辺で撮影)

 ところが自宅で細部を観察しようとすると「あれ? 間違えたかな?」でした。太陽に照らされなければ赤色にしか見えないんですね。三角紙から窓辺へ飛び出して、「あっ!やっぱりベニトンボだ」(右側)と分かるぐらいでした。翅脈にもきれいなピンクが入っています。(※本当はもっと綺麗なピンク色をしていますので、ネットで検索して見て下さい。)この1年いろんな昆虫を見てきて思うことは、このトンボも分布域北上。ということは正に温暖化の影響でしょう。流行語大賞の候補の中に「地球沸騰化」という言葉が選ばれていましたが、南方種の北上は気になるところですし、今後も注意深く見ていく必要がありますね。

☆今年は猛暑日が続き、すぐ冬の気候となったこと等、昆虫科に入って5年ですが、野外に出かけ昆虫に接する機会は一番少ない年でした。あくまで個人的な感覚で(好きなカミキリムシを除き)、今年を振り返って私のベスト3を挙げてみると①アオヤンマ ②アカスジキンカメムシ幼虫の集団 ③オオムラサキも捨てがたいのですが、ミスジチョウの方かな。図鑑では知っていても、中々見ることがなかったですからね。

昆虫定期便 No.60” に対して1件のコメントがあります。

  1. matuda yukie より:

    60号おめでとうございます!
    写真をアップしたら早く記事を書かないと、誰かに先を越されて写真を探しにくくなる・・・と思いながらもぐずぐずして、垣田さんに先を越されてしまいました。
    真似をして今年の印象3羽を上げると
    ①箕面でフクロウ 繁殖も成功したとか。惜しくも幼鳥は見逃す。
    ②長岡天神駅前のムラタ製作所のでかい看板でハヤブサがお食事中。
    ③篠山の森公園 ヤイロチョウ ギャラリーがトンデモナク押し掛ける中、繁殖に成功。
    来年もよろしくお願いします!

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