昆虫定期便 No.54

「10年に一度の暑さ」は、もう聞き慣れた感じがしないでもないですが、「温暖化は終わった。地球沸騰化の時代が到来した」と国連事務総長が言うと、この暑さに恐怖感を感じますね。
野外に出ると半端ないサウナ状態。この暑さで雨は降ってほしいと願いますが、先日のような被害が出る台風は要りません。夕方にちょっとお湿り程度の雨でいいのですが。

「オオヤマトンボ」と「コヤマトンボ」の顔。顔の白い線2本がオオヤマ、1本がコヤマトンボ。


☆前回に続けてトンボ。今回はヤマトンボの仲間では最大種の「オオヤマトンボ」。捕まえたのは82mm。夏に池に行くと,黒地に黄色の縞があるオニヤンマのような大きなトンボが池を周回しているのが見られます。オニヤンマは川のトンボ系で,池を横切ることはあっても周回して飛ぶことはありません。またこのトンボは5月から池で見られますが,オニヤンマは6月の下旬あたりにならないと現れないので、そんな所からもオニヤンマと区別ができるかな。ただ池の回りをパトロールしているのはよく見かけますが、ホバリングもしないし止まっているオオヤマトンボは滅多に見られないとなると、もうゲットするしかない。猛暑の中、池の堰堤で構えて待つこと30分。何度も空振りしつつ、やっと網に入りました。(7/28むろいけ園地)「オオ」があるなら「コ」もあり、「コヤマトンボ」の顔には白い横線が1本だけ(添付写真で)。

☆毎日のこの暑さを「クソー暑!」とつい口に出ますね。毎日、熱中症警戒アラートが出ています。この「くそー」は、「とても」の意味で使いますが、ネット検索すると、元々は大便の意味だとか。この写真は「ムシクソハムシ」。成虫は体長3mm程。漢字では「虫糞金花虫」と書くそうです。随分とかわいそうな名前を付けられていますが、虫の糞に擬態しており、ひどい命名だとは思いますが無理もないですね。糞に似て背面には凹凸があり、黒色で部分的に褐色、光沢もない。頭や脚を縮めると体のくぼみはまり込む。死んだふりをして、手足をぴったりと格納すると正に名前の通り「糞」です。珍しくもないのですが、誰も見向きもしません。木を網で叩いていると網に入り、動き出したので虫だと分かるぐらいでした。写真に撮るのも大変。紙の上ではコロコロ転がり、ルーペがなければ上下も前後も分からず。(7/21 神鉄六甲:からと)

昆虫定期便 No.54” に対して2件のコメントがあります。

  1. midori24-2 より:

    植物の名前で糞が付くのは屁糞蔓ですね。万葉集に屎葛(くそかずら)の名があり、古事記には国生みのイザナミのくそが粘土の神様、負け戦で枚方近くに兵が追われ糞を漏らし袴を汚したその場所を「くそばかま」⇒くそは⇒クズハ「樟葉」などあります。

  2. マツダユキエ より:

    虫糞金花虫→ムシクソハムシ となると 「金花」の漢字二文字で「ハ」と読むのでしょうか?

    糞は身近にあり、毎日見るものであり、肥やしになったり意外と大事な役割があるので
    昔から注目されてきたのでしょうね。ヨーロッパの中世や日本の戦国時代でも投げつけて「武器」にしたそうですから侮れません。
    野鳥が種を丸呑みにして、あちこちに糞をするので植物の種子散布に役立つことを勉強しました。
    介護の世界でもトイレ介助は大きなテーマです。お年寄りも「下の世話にはなりたくない」といわれますしね。考えてみると 糞を祭る神様がいてもよろしいかと思います。「古事記には国生みのイザナミのくそが粘土の神様」とありますが、糞をお祭りしているのでしょうか。

    酷暑続く中の昆虫採集にはくれぐれもご自愛ください。
                                   松田祐希江

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