昆虫定期便 No.82

 先日、越冬中のウラギンシジミ(蝶)を見ました。春らしい天気だったとはいえ、まだ飛べる気温になってないようで、じっとして動かず。  一方ウォーキングコース途中にある植木畑では、カワヅザクラが咲き始めました。気象協会の大阪市のサクラ開花予想日は27日。 虫の活動開始も目の前。あと少し、あと少しと待ち遠しい毎日です。



 昆虫の季節には、まだ少し早く、出かけるとなると昆虫館。近くなら伊丹昆虫館や箕面昆虫館ですが、先日2時間ほどかけ橿原昆虫館へ(バックヤード見学も)。昆虫館に放蝶ケージがありますが、ケージ内の放蝶数は橿原昆虫館が圧倒的に多く、行く価値は大です。
 放蝶ケージで思うのは大半が南方系の蝶であること。日本には約250種の蝶がいますがケージで飛んでいるのは約10種。オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ、シロオビアゲハにツマベニチョウ等々。大きく鮮やかな色の蝶は見栄えが良いのは分かりますが、なぜ教科書に出ている身近なモンシロチョウやアゲハは飛んでいないのかと。
 実は、温室展示に選ばれるには、それなりの理由があるようです。
①何より、まず国内に生息しているかどうか
 海外に生息する蝶は植物検疫法という法律で輸入禁止。だから最大の蝶であるトリバネアゲハや青色が綺麗なモルホチョウ等はダメなんですね。こんな蝶の飛ぶ姿が、目の前で見られたら最高ですが。
②蝶が手に入れられるかどうか 
 法律等で禁止されているとか、禁止されていなくてもたくさん手に入れることが難しい蝶は、当然展示できませんね。
③温室内をよく飛ぶかどうか。(多分、これがメインでしょうけど)
 優雅にヒラヒラとゆっくり飛んでくれるとしっかり観察でき、見ている側は嬉しいですよね。だからアオスジアゲハのように素速く飛んで行ってしまう蝶等は展示に向かないんですね。よく目にするモンシロチョウやモンキチョウもダメですね。
④卵が回収できるかどうか
 野外でたくさん蝶を採って来てケージに放つわけにはいかず、飼育して何十倍にも増やす必要があります。そうなると飼育できる蝶であることも条件の一つ。
⑤幼虫のエサが簡単に確保できるかどうか  飼育するということは、1年中エサが十分確保できなければならないのも当然のこと。身近なツマグロヒョウモンはエサ(スミレ科)が確保困難な種になるかな。
⑥長生きできる蝶かどうか
 昆虫館で、この話はよく聞きます。寿命が短ければ大量の幼虫を飼育し続けなければならず、飼育スピードが追いつかないことに。蝶はそれほど長生きではありませんが、それでも数ヶ月生きてくれるような蝶は選ばれるということですね。ちなみにオオゴマダラは80日近く生きているということです。まぁ蝶が飛べる温度管理をし、以上のような条件に合い、しかも1年中飛んでいる状態で蝶を見せるとなると、やはり南方系の蝶が展示しやすいということでしょうか。

昆虫定期便 No.82” に対して1件のコメントがあります。

  1. matuda yukie より:

    オオムラサキやアサギマダラも放蝶には向かないのでしょうね。オオムラサキは大きな公園などで飼育ケージを見かけますが。
    オオゴマダラは石垣島にいるのを見かけました。

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