花便りNo.20「ツノハシバミ」

木が芽吹き始め自然の色が少しずつ変わってきました。屋外での植物観察に最も良い季節を迎えています。今回はツノハシバミの花に焦点を当てて観察したので報告します。一昨年に観察会の下見のため高槻市の今城塚古代歴史館と今城塚古墳公園を訪れた時にツノハシバミに出会い、果実や花の作りを少し詳しく見てみてA4版一枚にまとめました。

ー ツノハシバミは雌雄同株・雌雄異花 -

2022.3.21

ツノハシバミは雌雄異花で雌花と雄花は全く異なる形状をしている。写真②は1cm四方の小さな雌花序で、展葉より先に開花するが、芽鱗の先端に出ているのは花柱で花弁は無い。この小さな雌花序から1~4個の果実ができるためには、その数だけの雌花が含まれていることが必要である。③の断面図を見ると確かに複数個入っていることが見て取れる。また写真の花柱は20本ほど数えることができる。ツノハシバミは風媒花であり、進化の段階で受粉をより確実にするため一つの雌花に複数の花柱を備えたと考えられる。

写真④は雄花序で前年に落葉する前から成長する。翌年の春にはカバノキ科の他の雄花と同様に穂状花序として下垂し、やがて雄花が開花する。花弁は無い。写真⓹のように軸の周囲に雄花が並び、傘状の苞の下に黄色と黒色の雄蕊が複数個付いているのが見える。

ツノハシバミは落葉低木でカバノキ科の植物である。果実は写真①のように鳥の嘴に似た形で、一か所から1~4個の実をつける。また果実は総苞に包まれており、さらに周囲を刺毛で覆われている。直接素手で触るとその個所に刺毛が残り、暫くの間不快感が残る。殻を剥がすと、中からヘーゼルナッツのような直径1cmほどの堅果が1つ出てくる。ヘーゼルナッツは同じカバノキ科のセイヨウハシバミの堅果である。