花便り30号(スプリングエフェメラル)
木々が一斉に芽吹き、山笑う季節になりました。植物観察に野外へ出かけるのが楽しくなります。新しい発見だけでなく見慣れた花や葉も新鮮に見えます。 久しぶりに花便りを投稿します。ご一読下さると幸いです。
2025.4.24
樹木の葉が茂るようになると、それまでいち早く春の到来を謳歌していたスプリングエフェメラルが勢いを弱めていく。 私が観察を続けていたセツブンソウの群落は、2月初旬に1本のセツブンソウが地表に立ち上がり、その後は次々と花を咲かせてきた。
セツブンソウの花は意外と長持ちをする。それもそのはずで5枚の白い花弁に見えるのは萼が変化したものである。

花弁であれば短期 間で萎れるが萼片であれば長期に亘って咲き続け、昆虫の少ない春先に時間をかけて受粉の機会を待ち続けることができる

果実を実らせる頃になると花を咲かせる茎葉よりも、地中から単独で伸びる根生葉が圧倒的に増える。光合成で作った養分を来年の春に向けて地下茎にため込むためであろう。 花後にはV字状に袋果ができ、その中から写真のように褐色をした5粒程度の種子が現われる。
大きさは2ミリほどの楕円形ほぼ1メートル四方の群落で種子を見つけたのはこの1本であり、このことからセツブンソウは種子から増えるのは少なく、地中の株から増えていくと考えられる。
このように花弁状の萼片で長期に亘って花を咲かす方法はユキワリイチゲ、キクザキイチゲ、イチリンソウ、アズマイチゲ、ニリンソウ等のスプリングエフェメラルも同様であり、これらは全てキンポウゲ科イチリンソウ属である。



