舳倉島 (へくらじま)2023年5月9日1泊だけ

                                   松田祐希江

今まで鳥見に出かけて、狙いの鳥に出会えなかったことは何度もありました。しかし、鳥見の場所にすら行けないこともあるというのはこの「舳倉島」(へくらじま)が初めての経験でした。舳倉島は能登半島の輪島から50キロメートルほど離れた離島です。周囲は4キロメートルほどの小さな島です。この小さな島に日本海を渡って疲れた渡り鳥たちが羽を休めに留まるのです。今までに約300種もの野鳥が観察されています。

実際に行かれた野鳥科の方より紹介があり1年がかり待っていくことにしました。渡り鳥の季節は春が1番良いそうです。舳倉島には2つの民宿があり、4月から5月の渡りの時期は満床になります。早くから何度も電話しましたがなんだかんだで丁寧にお断りがありました。常連客が優先のようで、私のような飛び込みの数日しか滞在しない客は4月のギリになって穴埋めに使われるようです。

4月2日に民宿に連絡をしたときに「相部屋で良ければ」ということで5月7日8日に民宿を取ることが出来ました。舳倉島にわたる連絡便は1日に1往復のみ。朝9時に輪島港出発し島より帰る船は3時のみです。大阪から行くときは前日に輪島で宿泊が必要です。5月の連休中は天気は大荒れでしかも地震、舳倉島航路は7日の当日に「本日中止」の連絡でした。幸い8日には天候回復し1泊だけですが舳倉島にわたることが出来ました。

9時に就航出発の予定ですが8時には中のキャビンはほぼ満席、聞けばここ3日ほど舳倉島航路は中止続きだったとか。船の中はほぼ鳥見と思われれる望遠カメラと3脚を担いだ方で一杯でした。民宿につくと1週間2週間と長逗留する方が7割くらいの感じです。もちろん帰ろうとしても船が出ず居続ける方もおられます。学生さんや研究されているような方もおられました。「主」と呼ばれる方もおられ、鳥情報は豊富です。

島に長滞在されている方はオオルリなどはスルーされます。本土でのスズメ扱いです。

島には友人3人で行くつもりでしたが、家庭の事情で参加できず一人で行ってきました。サンダーバードに乗るのも初めてで切符が緑の窓口でなくとも、旅行会社で取り扱っていることを初めて知りました。こんな旅音痴でよく行けたものです。スマホの電車乗り換え案内の御蔭です。

周囲約4キロの小さな島ですので迷う心配はありません。うろうろ歩いていたら鳥目的とわかる方がおられますので情報をやり取りして場所を探すだけです。5年ぶりの迷鳥「コマミジロタヒバリ」も人だかりがしていたので混ぜて撮らせていただきました。

島中に「ポッポッポッ」と卒業証書の筒を抜く音が響いていました。ツツドリの鳴く声でカッコウやホトトギスの仲間です。

コマミジロタヒバリはたまたま観察小屋の前に来ましたのでじっくり観察できました。今年分の幸運を使い果たしたような気分です。

ニュウナイスズメはスズメとは、ほほの黒点が無くやや赤みが強い茶色が違いです。渡りをするためか、精悍な表情ですね。そういえば島ではスズメは見ませんでした。本土ではどこにでもいるシジュウカラも見なかったなあ。

キビタキもウグイスも本土では路上を散歩する鳥ではありません。囀りの声は聞こえてもどこにいるか分からない鳥です。舳倉島では50キロの渡りの疲れからか場違いなところにいる野鳥に驚かされました。

島で一番良く聞いたのがアオジの囀りです。キビタキ、オオルリ、ウグイス、センダイムシクイそしてアオジの大合唱です。合いの手にツツドリも。

5月の記録を今頃すみません!夏鳥の追っかけに時間を費やしました。

もっといろいろな鳥がいたと思うのですが、まだまださえずりなど聞き分けが出来ずメジャーな鳥しか分かりませんでした。天候に左右される離島の野鳥の観察はやはり地元民が強く、お天気をみて夜中から車を飛ばして輪島港に駆け付ける方が多いようです。またチャレンジしたいです。

〇観察できた鳥(◎→多くいた 声→囀りのみ)

カラスバト声、ダイサギ、◎アオサギ、ツツドリ、◎ウミネコ、◎サンショウクイ、ハシブトガラス、◎ツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ(巣)、ヤブサメ、◎ウグイス、◎センダイムシクイ声、エゾムシクイ声、オオヨシキリ声、セッカ声、ムクドリ、マミチャジナイ、ツグミ、コルリ声、ノビタキ、◎コサメビタキ、◎キビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、ハクセキレイ、コマミジロタヒバリ、カワラヒワ、ミヤマホオジロ、◎アオジ

最後になりましたが、只今「美山町 芦生の森」の情報を集めています。京都大学の研究林でガイド付きで決められた人数など制限があります。もし行かれた方ありましたら情報を教えてください。

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